大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2038号 判決

元来刑法第五五条の連続犯とは結果は単一でなく数個存在するけれども、犯意は単一と認められ且つ同一の罪名に触れる場合にはこれを一罪として処断していたのである。従つて右法条の廃止された今日にあつてはこのような場合のものは当然一罪とは認められず、数罪として併合罪の規定を適用すべきものである。

ところで被告人の本件各所為は正にこれに該当するのである。即ち原判決挙示の証拠によれば被告人の各所為は何れも各回毎に既遂の状態に達し、結果の発生していることを認めるに十分であり、食糧緊急措置令違反の点は、後の不正に受配させた事実は当然先の不正に受配させた事実を包含するものとは認められず、各その都度食糧購入の申込はなされているのであつて、各回毎に食糧配給の統制は乱される結果を生じているのであり、受配させた全行為を綜合して始めて統制を混乱させたものであると認めるべきではない。

又収賄の点も食糧の不正受配が続けられる間は当然収賄がこれに伴うものと認めるべき証拠は存在しないので、各収賄の都度職務の公正は害される結果が発生しているのであるから被告人の本件各犯罪は結果が単一のものとは到底認めるに由ないものである。

しからば原判決が被告人の本件各所為を夫々独立の犯罪と認めて、刑法併合罪の規定を適用したのは正当であつて、原判決には所論のような違法は認められない。

論旨は理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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